歯みがきしたら痛がった<歯が折れた>(ミニチュア・ダックスフンド 3才5カ月)歯科症例123-①

 

右上の奥歯が折れている

一昨日の夜に歯みがきをしたら痛がったので気付いた

折れた歯に赤い点が見えるので、神経が出ていると思う

とのことで来院されました。

 

口腔内を確認すると、

右上顎の第4前臼歯が折れていました。

赤い点の部分は歯髄が露出してしまっています(露髄)

(写真は歯科処置時)

 

露髄をそのままにしておくと歯髄から感染が起こり、腫れて痛みを引き起こします。

歯科症例121<歯が折れた>歯肉から膿がでている パグ 6才

 

また、露髄していなくても、知覚過敏により痛みが起こったり、近い将来露髄し感染が起こる可能性があります。

破折した歯は、適切な処置により歯を残すことも可能ですが、

破折してからの経過時間や破折面の状態、露髄の有無、歯科レントゲン検査の結果などによっては

抜歯処置が必要となることもあります。

 

今回は、折れた断面が歯肉の下に及んでいるようでした。

折れ方により、この歯を温存することは難しくなりますが、

麻酔下で充分に観察し検査しなければ判断できません。

 

飼い主様には、充分な術前検査の上で麻酔下での歯科検査・処置が必要であることをお伝えし、

後日術前検査、そして歯科処置を行いました。

 

 

 

スケーリング

まず、表面の汚れを超音波スケーラーで落とします。

 

歯周プローブ検査

 

 

歯科レントゲン検査

矢印が、破折していた歯です。

歯根部に異常は認められませんでした。

 

 

 

 

 

やはり折れていた歯は露髄・出血していました。

そして折れた歯の破片が一部付いたままになっており、その破片を浮かせると、

破折のラインが歯肉の下深くに及んでいることがわかりました。

この歯を温存することは難しいと判断し、抜歯処置を行いました。

 

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2020年10月23日