右上の奥歯が折れている
一昨日の夜に歯みがきをしたら痛がったので気付いた
折れた歯に赤い点が見えるので、神経が出ていると思う
とのことで来院されました。
口腔内を確認すると、
右上顎の第4前臼歯が折れていました。
赤い点の部分は歯髄が露出してしまっています(露髄)
(写真は歯科処置時)
露髄をそのままにしておくと歯髄から感染が起こり、腫れて痛みを引き起こします。
歯科症例121<歯が折れた>歯肉から膿がでている パグ 6才
また、露髄していなくても、知覚過敏により痛みが起こったり、近い将来露髄し感染が起こる可能性があります。
破折した歯は、適切な処置により歯を残すことも可能ですが、
破折してからの経過時間や破折面の状態、露髄の有無、歯科レントゲン検査の結果などによっては
抜歯処置が必要となることもあります。
今回は、折れた断面が歯肉の下に及んでいるようでした。
折れ方により、この歯を温存することは難しくなりますが、
麻酔下で充分に観察し検査しなければ判断できません。
飼い主様には、充分な術前検査の上で麻酔下での歯科検査・処置が必要であることをお伝えし、
後日術前検査、そして歯科処置を行いました。
スケーリング
まず、表面の汚れを超音波スケーラーで落とします。
歯周プローブ検査
歯科レントゲン検査
やはり折れていた歯は露髄・出血していました。
そして折れた歯の破片が一部付いたままになっており、その破片を浮かせると、
破折のラインが歯肉の下深くに及んでいることがわかりました。
この歯を温存することは難しいと判断し、抜歯処置を行いました。