歯みがきをした時に、左上顎の奥歯から出血した。歯肉も赤い。とのことで来院されました。
ホームデンタルケアをされているので、切歯や犬歯などはきれいな状態が保たれていましたが、歯ブラシが届きにくい上顎の臼歯は歯垢・歯石が認められ、歯肉の発赤・腫脹がありました。
同時に、心臓の雑音も認められましたので、心臓の検査を行い、評価・治療を行い、可能な状態であれば歯科処置を行うことをおすすめしました。
まず、心臓の検査を行いました。
心臓病がありましたので、飲み薬による治療を開始し、状態を安定させた後に、歯科処置を行うことになりました。
プローブ検査
切歯・犬歯のポケットは1~3mmと浅かったのですが、やはり上顎の臼歯部分は4~5mmと深いポケットが形成されていました。
また下顎第2後臼歯は、右側はすでに欠損しており、左側はぐらつきがひどくポケットは4mmもありました。
レントゲン検査
歯神経ブロック
スケ-リング
ルートプレーニング
左下顎第2後臼歯です。
ポリッシング
最後に、抗生物質軟膏をポケットの深かった箇所に注入し、口腔内をきれいに洗い流し、終了しました。
<処置翌日>
「食欲はいつも通りありますが、疲れたのか寝てばかりいます。」とのことでした。
〈処置から1週間〉
「退院して2日間は、寝てばかりいましたが、3日目からいつもの元気さが戻り、ボールで遊ぶようにもなりました。食欲は退院した日からいつも通りあります。口を気にする様子もありません。」とのことでした。
この状態を維持していただくため、ホームデンタルケアについて説明いたしました。
処置後に、今までのホームデンタルケアについてお聞きしたところ、「食後に1日3回歯みがきしています。」とのこと。
ですので、切歯や犬歯はポケットも浅く、とてもきれいな状態が保たれており、13歳とは思えないほどでした。
今回、歯ブラシが届きにくい箇所に、歯周病が起こってしまいました。
ですが、毎日のホームデンタルケアの甲斐あり、麻酔時間も短く、心臓への負担も最小限に抑えることができました。
これは、飼い主さま、そしてこのわんちゃんの、毎日の努力の結果だと思います。
これからも継続し、歯みがきを頑張って、快適に長生きしましょうね☆
京都市 左京区 動物病院 とよだ 歯科