食べる時に、歯になにか挟まっているような仕草で顔を傾けているとのことで来院されました。
お口の中を確認すると、臼歯部分に歯垢・歯石が認められ、歯肉炎が起こっていました。
そこで、術前検査の後、歯科処置を実施しました。
プローブ検査
レントゲン検査
左上顎第2前臼歯(青矢印)は、レントゲンでは正常な歯の形が認められず、
歯冠(歯の歯肉から出ている部分)の一部のみが残っていることがわかりました。
反対側の右上顎第2前臼歯も欠損しており(黄色矢印)、これらはFORL(猫破歯細胞性吸収病巣)によるものと思われます。
FORL(猫破歯細胞性吸収病巣)とは:
猫に特有の病気です。
歯を溶かしていく進行性の疾患で、進行すると歯の象牙質や歯髄が露出し、痛みを引き起こします。
スケーリング
ポリッシング
今回のケースでは、シニア期の猫ちゃんでしたが、歯肉炎が軽度のうちに飼い主さまが処置を決断され、
抜歯の必要もなく、短時間で処置を終えることができました。
処置後、歯みがきを開始していただきました。
「不思議と全く嫌がらずににさせてくれています!」とのこと。
処置によりお口の不快感がなくなったからかもしれませんね。
これからも、お家でのケアを続けて、快適な状態を保ってあげましょう。