以前から口臭があったとのこと。
トリミングのお店で、
お口の状態が悪く、歯がぐらついているので病院で診てもらうよう言われ、
来院されました。
診察では、多くの歯で歯垢・歯石が認めらました。
また、本来12本あるはずの切歯は5本しかありませんでした。
残っている切歯はぐらついており、
歯周病の進行によりすでに多くの切歯が脱落したと考えられました。
初診時に心雑音が認められたため、心臓の充分な検査を行い、
飼い主様との相談の上、歯科処置を実施することになりました。
歯周プローブ検査
全体的にポケットが深く、12㎜以上ある歯もありました。
これらの部分をを歯科レントゲンで確認すると・・・
他、右上顎第4前臼歯もひどくぐらつき、歯周ポケットが12㎜以上ありました。
これらの歯は、このままでは痛みや感染を抑えることが難しく、
抜歯処置を行いました。
他にも歯周ポケットが深くなっている歯がありましたが、レントゲン検査や通水テストの結果により、
温存することになりました。
歯神経ブロック
スケーリング
超音波スケーラーで歯の表面の汚れを落とします。
抜歯処置
多根歯(歯の根元が複数に分かれている歯)は1根ずつに分割してから抜歯します。
抜歯窩はきれいに洗浄し、歯槽骨をトリミング後、縫合しています。
ルートプレーニング
1本ずつ、見えない歯周ポケットの中まできれいにします。
見た目をきれいにするだけでは、歯周病の治療にはなりません。
ポリッシング
歯の表面をつるつるに磨くことで、汚れが付きにくくなります。
最後に、歯周ポケットが深かった部分には歯科用軟膏を注入し、処置を終了しました。
処置から3日後、
「元気も食欲もしっかりあります。
痛みもなさそうです。
退院直後は口に違和感がありそうな感じでしたが、今はそれも治まっています」とのことでした。
処置から3週間後には、歯肉の炎症は全くなくなり、とても良い状態でした!
今回の処置により
口臭もなくなり、痛みや不快感も取り除くことができました。
わんちゃんも飼い主様もとても快適になったのではないかと思います。
これからもこの状態を維持できるよう、お家でのケアを続けていきましょう。