予防接種の時の身体検査で多量の歯垢・歯石が認められ、
後日、歯科検診に来ていただきました。
歯科検診では、歯肉は炎症が起こり、ぐらついている歯もあることがわかりました。
飼い主様とご相談の上、 術前検査、その後歯科処置を実施しました。
歯周プローブ検査
右上顎臼歯はポケットが8~9㎜あり、ひどくぐらついていました。
また、左上顎の第1後臼歯はポケットが12㎜以上ありました。
ポケットが深かった部分を歯科レントゲンで確認すると・・・
痛みをなくし、歯周病をしっかり治療するため、
これらの歯は抜歯処置が必要と判断しました。
歯神経ブロック
スケーリング
超音波スケーラーで歯の表面の汚れを落とします。
抜歯処置
多根歯(歯の根元が複数に分かれている歯)は1根ずつに分割してから抜歯します。
抜歯窩はきれいに洗浄し、歯槽骨をトリミング後、縫合しています。
ルートプレーニング
1本ずつ、見えない歯周ポケットの中まできれいにします。
見た目をきれいにするだけでは、歯周病の治療にはなりません。
ポリッシング
歯の表面をつるつるに磨くことで、汚れが付きにくくなります。
最後に、歯周ポケットが深かった部分には歯科用軟膏を注入し、処置を終了しました。
術後2日ほどは痛みのせいか少し元気がなかったそうですが、食欲はちゃんとあり、
1週間後の来院時にはいつもの元気な様子に戻っていました。
2週間後の検診時には「硬いドライフードをしっかり食べていて痛がることもありません」とのこと。
歯肉の炎症も引き、深かった歯周ポケットが浅くなっていました!
なかなかお家では、お口の状態を知ることは難しいです。
今回のケースでは、たまたま予防接種時に異常がみつかり、後日歯科検診に来ていただき、処置実施となりました。
詳しい検査は麻酔下でしかできませんが、
お口を見せてくれる子であれば、
歯垢歯石や歯肉の炎症、かみ合わせなど、
歯科検診で分かることもたくさんあります。
受けられたことのない方はぜひ一度、歯科検診にいらしてください。