蹄(ひづめ)を噛んで奥歯が欠けた<破折>(ウェルシュコーギー 7才)歯科症例139-④

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第4前臼歯

 

 

下顎切歯

 

 

 

処置の翌日からしっかり食欲がありました。

 

1カ月後の診察では歯が真っ白で炎症も治まっていました。

 

3カ月後、レントゲン検査にて歯根部の感染が起こっていないか確認を行いました。

レントゲンでの感染所見はありませんでした。

 

 

抜髄根管治療を行った第4前臼歯は「裂肉歯」とも呼ばれ、

下顎の歯と合わさることではさみの刃のように食べ物などを切り裂く役割をしています。

わんちゃんは噛む力は強いですが、歯は人よりも弱いので、

強い力で硬い物をかじると折れたり欠けたりしてしまいます。

おもちゃやガムなどを選ぶ時は注意が必要です。

 

また破折は強い痛みを伴うことが多く、

破折したまま放置するとその部分から感染を引き起こしてしまいます。

発見した場合は様子を見ずに早めにご相談ください。

 

わんちゃんが破折した場合、

全てのケースで抜髄根管治療を行うことが出来る訳ではありません。

破折の仕方や発見した時の歯の状態によっては

抜歯しなければならないケースもあります。

 

今回は発見が早く、歯の状態も良かったため、早期に抜髄根管治療を行うことが出来ました。

わんちゃんの痛みによるストレスも最小限に抑えることが出来て良かったと思います。

今後も定期的なレントゲン検査・デンタルチェックを行いながら、

良い状態を保っていきましょう!!

 

→診察から術前検査、手術への流れはこちらをご覧下さい。

2021年11月20日