<外歯瘻>右目の下に穴が開いている(犬 mix 4才)歯科症例99

 

 

 

7ヶ月ほど前から右目の下の皮膚に穴があき、近所の動物病院を受診。

2件の動物病院で治療を受けられましたが改善せず。

3件目の病院にて歯が原因ではないかとのことで当院を紹介され、来院されました。

 

飲み薬や塗り薬、手術など様々な治療をうけてこられましたが、右目の下の傷からは液体が滲んでいました。

 

 

 

口腔内を確認すると、歯石・歯垢の付着は少ないものの、右の上顎第4前臼歯・第1後臼歯部分の歯肉が、左に比べてより赤く腫れていました。目の下の傷は、この部分の根尖周囲膿瘍による外歯瘻(がいしろう)が疑われました。

 

外歯瘻(がいしろう)

歯周病が進行し歯の根元に膿がたまると、その膿を排出するため管が作られます。

その出口が口腔外の皮膚に出来た場合を外歯ろうといいます。

多くの場合で目の下の腫れや皮膚の自潰がみられます。目の下の外歯ろうの多くは、上顎の第4前臼歯や第1後臼歯が原因となって起こります。

 

 

このわんちゃんは遠方からの来院だったため、初診時に術前検査を実施することをあらかじめ決めていました。

(通常は初診後に検査・処置の日程を予約していただき、後日実施しています。)

その結果、安全に処置が出来ると判断し、後日歯科処置を実施しました。

 

 

プローブ検査

 

 

レントゲン検査

右上顎第4前臼歯の遠心根とその周りの歯槽骨の吸収がみられ、この歯が目の下の傷の原因と思われました。そこで、口腔内をきれいにした後、抜歯処置を行うことになりました。

 

歯神経ブロック

 

スケーリング

 

ルートプレーニング

 

右上顎第4前臼歯の抜歯・縫合

 

 

ポリッシング

 

歯科用抗生物質軟膏の注入

 

 

 

 

 

 

 

 

<処置翌日>

「帰ったその日から元気に食べています。目の下の傷はかさぶたがありますが、小さくなっています」とのこと。

 

<処置から8日後>

目の下の傷はもう閉じていました。

 

<処置から3週間後>

目の下の傷はほとんどわからなくなっていました。

 

 

 

半年以上の間、さまざまな治療を受けて改善しなかった目の下の傷。

一度の歯科処置できれいに治すことができました。

歯科疾患は、進行すると皮膚や目などの口腔内以外の部分に症状がでることがあります。

ぜひ、多くの飼い主様にそのことを知っていただきたいです。


2018年06月19日