口を痛がるため他院で治療していたが改善しない<歯肉口内炎・歯周病>(猫 mix 9才)歯科症例178-①

 

・口を痛がる様子があったので、かかりつけや他の病院で治療していた。

 治療すると一時的に良くなるが、しばらくするとまた痛がる。

・痛みのため、食欲も落ちてきた。

 

とのことで来院されました。

 

口腔内を確認すると、

口腔後部の歯肉が赤く腫れ、歯肉口内炎(口腔後部口内炎)が起こっていました。(黄色矢印)

また、上顎臼歯部分に大量の歯石が付き、腫れと発赤も確認されました。

 

(写真は歯科処置時)

 

飼い主様に今の状態をお伝えし、

歯肉口内炎(口腔後部口内炎)の根本的な治療のため、麻酔下での前臼歯抜歯をお勧めしました。

 

 

後日術前検査を行い、歯科処置を実施しました。

 

 

 

 

歯神経ブロック

口腔内の炎症が酷く、少し触れるだけでも痛みを感じていたため、

最初に歯神経ブロックを行いました。

 

 

 

スケーリング

 

 

歯周プローブ検査

歯周ポケットの深さを測定します。

ポケットが深い場所で8mmあり、ぐらつきがある歯もありました。

根分岐部病変(歯周病が進み歯槽骨が溶けてしまい歯根部が露出している状態)も多く見られました。(写真2枚目)

 

 

レントゲン検査

猫破歯細胞性吸収病巣(FORL)による吸収が確認されました。(黄色矢印)

また、アンキローシス(骨性癒着)もみられました。

 

検査後、抜歯処置を行います。

 

 

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2025年06月30日