<歯周病・処置時、破折発見>歯が汚れている(トイプードル 4才)歯科症例94

 

歯科処置を行った際に、破折が見つかり歯冠修復処置を行った症例です。

 

 

奥の方の歯が汚れているような気がするとのことで来院されました。

歯科検診では、左右上顎の第4前臼歯に歯垢・歯石・軽度の歯肉炎が認められました。

後日、飼い主さまと相談の上、処置を行うことになりました。

 

 

術前検査にて、異常は確認されませんでした。

 

 

プローブ検査

ほとんどのポケットは1~2㎜程度でしたが、切歯1本と犬歯4本は3~4㎜ありました。

 

スケーリング

 

ルートプレーニング

 

破折確認

左上顎第4前臼歯が平板破折していることがわかりました。

 

レントゲン検査

破折していた第4前臼歯に感染所見は認められませんでした。

露髄もなくレントゲン検査でも異常はありませんでしたので、歯冠修復処置を行いました。

 

歯冠修復処置

 

エッチング(歯面をざらざらにさせてレジンをつけやすくする)

 

ボンディング(歯とレジンを接着させる、のりの役割)

 

光重合(特殊な光を当て、塗布した材料を固めます)

 

レジンの充填・形の成形

 

ポリッシング

 

歯科用抗生物質軟膏の注入

 

 

 

 

 

 

 

 

<処置翌日>

「朝からすっかり元気で、いつも通りの様子です。」とのこと。

 

<処置から8日後>

「口を痛がったり、気にすることもありません。食欲も元気もいつも通りの様子です。」とのことでした。

歯冠修復の処置を行った箇所も問題ありませんでした。

 

 

今回の処置では、歯石を取り除いたところ、歯石によって覆い隠されていた破折歯に気付き、適切な処置を行うことができました。

歯の表面はエナメル質によって外からの感染や刺激などから守られています。

破折するとその部分のエナメル質が失われ、弱い状態になります。

今回破折していた歯は、露髄していませんでしたが、そのままにしておくと、知覚過敏により痛みが起こったり、近い将来露髄し感染が起こる可能性がありました。

飼い主さまが、歯周病が軽度のうちに早期に処置を決断されたことで、より短時間で安全な処置となり、痛みや感染が起こる前に破折歯の修復もできました。

 

今回の処置を決断され、本当に良かったです。

麻酔下で、歯石を取り除き、口腔内を観察すると、処置前には分からなかった異常が見つかる事は珍しくありません。とよだ動物病院では、異常が見つかってもすぐ適切な処置が行えるよう、常に準備し、処置にあたっています。


2018年01月29日